サブコンから転職|企業が見る基準と実際に多い転職先

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サブコンから転職を考えたとき、最初に困るのが情報の少なさです。
「サブコンから転職」と検索しても、出てくるのは施工管理全般の話ばかりで、設備の施工管理がどう評価されるのかまで書かれた記事はほとんどありません。

サブコンで施工管理を続けていると、一度は「このまま今の会社にいていいのか」と考える瞬間があります。現場は回せるようになった。
資格も取った。それでも、給与や働き方、任される案件の中身に納得がいかない。そういう相談を受けることは、決して珍しくありません。

この記事では、企業が実際に何を見ているのか、そして実際に多い転職先はどこなのかを、採用する企業側と話をしてきた立場から整理します。

サブコンから転職する人の、実際の行き先

サブコンから転職した方が、実際にどこへ行っているのか。
最初に、現実の分布から書きます。ここを間違えると、準備の方向がずれます。

サブコンから転職して多いのは、大規模修繕・リニューアル系

設備サブコンから転職する方で最も多いのは、マンション管理や大規模修繕を手がける専門会社、あるいはリニューアル事業を持つ会社へ、リフォームや大規模修繕の施工管理として移るケースです。

理由は単純で、経験がそのまま使えるからです。既存建物に手を入れる工事は、設備の納まりや切り替えの段取りを知っている人でないと回りません。新築とは違い、図面通りにいかない前提で動く必要があります。設備サブコンで改修や更新工事を経験してきた人は、その部分で最初から戦力になります。

「サブコンから離れる」と聞くと大きな転換に思えますが、実際にはこの道が最も自然で、選考も通りやすい。まずここを知っておいてください。

ゼネコンの建築施工管理へは、可能だが実例は多くない

設備から建築へ、つまり職種そのものを変える道についても触れておきます。

先に立場を明らかにしておきます。私は設備サブコンの領域を過去に担当していましたが、現在は担当外です。そして担当していた期間を通じて、設備サブコンからゼネコンの建築施工管理へ移られた方は、私が支援した中にはいませんでした。そういう経歴の方とお会いしたこともありません。

そのうえで、結論から言えば可能です。実際、お付き合いのあるゼネコンから「30歳未満で、何かしらの施工管理経験がある方なら選考します」と言われたことがあります。設備か建築かを問わず、現場を動かした経験そのものを評価するという考え方です。

ただ、可能であることと、多いことは違います。私の手元で見てきた分布としては、前項の大規模修繕・リニューアル系が圧倒的に多く、建築への職種転換は例外的でした。ここは正直に書いておきます。

他職種への転職全般については、こちらの記事で整理しています。

施工管理から他職種へ転職する道

現実的なのは、1級建築施工管理技士を取って地場ゼネコンを経由する道

それでも建築施工管理を目指したい場合、いきなり大手を狙うより、回り道を選んだほうが現実的です。

順序としては、まず1級建築施工管理技士の取得を目指す。そのうえで、地場のゼネコンを候補に入れる。地場ゼネコンは案件規模が中小規模のものも多く、一人が広い範囲を見る体制になっていることが少なくありません。建築の全体を覚えるには適した環境です。

そこで建築施工管理としての経験年数を積んでから、規模の大きい会社を検討する。遠回りに見えますが、未経験のまま大手に応募し続けるより、確実です。

派遣で建築の経験を積む方法と、そのリスク

建築の実務経験を得る手段として、施工管理の派遣で建築現場に入るという方法もあります。未経験でも入りやすく、経験年数を作れるという意味では、確かに一つの手です。

ただし、慎重に考えてください。

いま正社員として働いているなら、その経歴を派遣に切り替えることになります。職務経歴書の上では、正社員としての連続した在籍が途切れます。後述しますが、企業は在籍年数と、その会社でどこまで任されたかを見ています。派遣期間がそこにどう映るかは、応募先によって判断が分かれます。

「未経験でも入れるから」という理由だけで選ぶ手段ではありません。正社員のまま建築へ移る道が残っているなら、そちらを先に検討する価値があります。

企業がサブコン経験者を見るとき、何を確認しているか

ここからは、採用する側の話です。求人票には書かれていない部分を書きます。

1社での在籍年数

設備サブコンから設備ゼネコン、あるいは規模の大きいサブコンへ移る場合、1社での経験年数が5年以上あるかどうかは、確認される項目の一つです。

年数そのものを見ているというより、その会社で一通りの経験を積んだかどうかの目安として使われています。短期間で複数社を移っていると、どこまで任されたのかが読み取りにくくなります。

元請けの設備施工管理経験

これは大きな分かれ目です。元請けとして設備施工管理をやった経験があるか、そして3年以上あるか。ここが見られます。

下請けの立場で設備工事を担当するのと、元請けとして施主や設計者、他工種と直接やり取りしながら進めるのとでは、業務の範囲が違います。工程を自分で組み、他社を動かし、施主に説明する。この経験があるかどうかで、入社後にどこから任せられるかが変わります。

職務経歴書を書くとき、この点が曖昧になっている方は多いです。どの案件で元請けだったのか、そこで何を判断していたのかは、必ず書き分けてください。

案件規模と、業務範囲

企業側から聞くのは、5億以上の案件経験があると望ましい、という話です。ただし、これは絶対条件ではありません。

むしろ重要なのは、その先です。2億や3億の案件でも問題にはなりません。大切なのは、どういう仕事をしてきたかという中身です。

実際、5億以上の大型案件に関わっていても「一部分しか担当していませんでした」という経歴より、2億や3億の案件を着工から竣工まで一通り見てきた経歴のほうが、望ましいと評価されます。

大きな現場では役割が細かく分かれるため、担当範囲が限定されがちです。金額の大きさだけを職務経歴書に並べても、企業が知りたいことには答えていません。規模を書くなら、その中で自分が何をどこまで持っていたかを、必ずセットで書いてください。

1級施工管理技士(電気工事・管工事)

設備領域では、1級電気工事施工管理技士や1級管工事施工管理技士の保有が、確認項目に入ります。

資格は、あれば有利という位置づけではなく、応募できる求人の範囲そのものを広げます。特に元請けを担う企業では、配置技術者の要件があるため、資格保有者を求める理由がはっきりしています。

取得の難易度や勉強の進め方については、こちらでまとめています。

施工管理技士の難易度と対策

ヒューマンスキル

最後に、これは軽く扱われがちですが、企業はとてもよく見ています。

施工管理は、自分で手を動かす仕事ではありません。協力会社を動かし、設計者や施主と話をつけ、社内を通す。技術的な知識があっても、人と話が進められなければ現場は止まります。

面接では、経歴の説明の仕方そのものが見られています。トラブルが起きた現場の話をするとき、誰かのせいにする形で説明していないか。自分がどう動いたかを話せているか。ここで評価が分かれることは、実際にあります。

サブコン内での転職は、方向によって難易度が変わる

ここまではサブコンから転職して外へ出る話をしてきましたが、サブコン内で会社を変えるという選択もあります。そしてこちらは、方向によって難易度がはっきり違います。

大手サブコンから中堅サブコンへの転職は行きやすい

この方向は、比較的通りやすい部類です。

大手で身につけた元請けの進め方、書類の作り方、安全管理の水準は、中堅企業から見れば導入したいものです。案件規模も、大手で扱っていた規模のほうが大きいことが多く、経験としては十分に足ります。

待遇や勤務地、任される裁量を理由にこの方向へ動く方は、実際に見てきました。

中堅から大手は、経験の中身が問われる

逆方向は、ハードルが上がります。

資格は当然として、そのうえで1社での在籍が長いこと、扱ってきた案件の規模、元請けとしてどこまで持っていたかが、細かく確認されます。前の章で挙げた項目が、そのまま選考基準になると考えてください。

大手側は、入社後すぐに現場を任せられるかを見ています。中堅で下請け中心の経験しかない場合、そこが弱点になります。

実際によく見る、キャリアアップのルート

ここまでの内容を踏まえて、実際に何度も見てきた進み方を紹介します。

中堅サブコン → 大手サブコン → ゼネコンの設備部門

中堅サブコンから大手サブコンへ移り、そこで元請け案件や大規模案件を経験する。その経験を持って、中堅から大手のゼネコンの設備部門へ移る。この順番で進む方を、よく見かけます。

いい進み方だと思います。

なぜこの順番が通りやすいのか

一段ずつ、企業が確認したい項目を埋めていける形になっているからです。

最初の段階では、まだ元請け経験が浅くても、伸びしろとして見てもらえる余地があります。
そこで元請けと大規模案件を経験すれば、次の段階で問われる「案件規模」と「元請け経験3年以上」が、実績として揃います。

ゼネコンの設備部門は、元請けの立場で設備をまとめる仕事です。そこに応募する時点で、元請け経験があるかないかは決定的な差になります。大手サブコンを経由することで、その差を埋められる。

一足飛びに狙うより、結果的に早いことが多いです。キャリアの組み立て方全般については、こちらでも触れています。

施工管理のキャリアパスの考え方

年代別に見た現実

同じ経歴でも、年齢によって選考の通り方は変わります。ここも正直に書きます。

20代:職種を変えるなら、この時期が最も動きやすい

先に触れたとおり、お付き合いのあるゼネコンから「30歳未満で、何かしらの施工管理経験がある方なら選考します」と言われたことがあります。

設備から建築へ、あるいはサブコンからゼネコンへ。職種や立場を変える動きは、20代のうちが最も選択肢が広いのは確かです。経験年数が短いことを、伸びしろとして見てもらえる時期だからです。

逆に言えば、この時期に動かないと選べなくなる道があります。いま20代で職種転換を考えているなら、時間は味方ではありません。

30代:後半になるほど、職種を変えるのは難しくなる

30代でも、会社によっては見てくれるところがあります。ここは断言できます。

ただし、後半になるほどキャリアチェンジは難しくなります。早いほうがいいことは確実です。

そして、未経験分野へ移る場合は、20代と比べて選考のハードルが明確に上がります。企業側は即戦力を期待する年代なので、「これから覚えます」では通りにくくなる。

この年代で職種を変えたい場合、書類と面接の作り込みが結果を左右します。経歴のどこを前に出すか、なぜその分野なのかをどう説明するか。ここを一人で組み立てるのは簡単ではありません。

転職エージェントを使って推薦文でフォローしてもらったり、面接対策を受けたりすることで、成功率は上がります。少しでも通る可能性を上げたいなら、プロに相談することをおすすめします。

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40代・50代:転職理由の多くは、待遇と勤務地

次席や現場代理人を務めてきた40代・50代の方が転職を考えるとき、その理由として多いのは、待遇面と勤務地の不満です。

能力に問題があるから動くのではありません。長く続けてきた結果として、給与が経験に見合っていない、あるいは転勤や単身赴任が続いて生活が成り立たない。そういう理由で相談に来られます。

この年代は、経験の中身がそのまま評価になります。第2章で挙げた項目、特に元請け経験と案件規模、そして「どこまで一通り持っていたか」が、そのまま条件交渉の材料になる年代です。

まとめ

サブコンから転職を考えるうえでの要点を、整理します。

実際に多い転職先は、大規模修繕やリニューアルを手がける会社です。ゼネコンの建築施工管理への職種転換も可能ではありますが、私が担当した中では事例がありませんでした。目指すなら、1級建築施工管理技士の取得と、地場ゼネコンを経由する回り道が現実的です。

企業が見ているのは、1社での在籍年数、元請けの設備施工管理経験、案件規模と業務範囲、資格、そしてヒューマンスキルです。案件規模については、5億以上が望ましいとされる一方で、5億の一部分より2億3億を一通り経験したほうが評価されます。金額ではなく中身です。

同じサブコン内での移動は、大手から中堅は通りやすく、中堅から大手は経験の中身が問われます。中堅サブコンから大手サブコンへ移り、元請けと大規模案件を経験してからゼネコンの設備部門へ、という順番は、実際によく見る進み方です。

職種を変えるなら早いほうが確実で、30代後半になるほどハードルは上がります。40代・50代の場合は、これまでの経験の中身がそのまま交渉材料になります。

自分の経歴が今どう評価されるのか、次にどこを埋めれば選択肢が広がるのか。ここは一人で判断するより、求人を扱っている側に聞いたほうが早いです。

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